PGT-A(着床前胚染色体異数性検査) 胚盤胞生検

当院でもPGT-A(着床前胚染色体異数性検査)が認可され、胚盤胞のPGT-Aを行うことが可能になりました。

PGT-Aは胚盤胞のTE (将来胎盤になる細胞群)を一部採取して検査します。

胚から細胞を採取することを生検と言い、当院では培養士が行います。

この生検において細胞を採取する際に何らかの不備がある場合や、採取した検体がうまくサンプリングできていない場合には検査をしても正確な情報が得られないため、PGT-Aを行う上で大変重要な操作になります。

胚生検は胚盤胞のステージで行います。

拡張してきた胚のICM (将来胎児になる細胞群)と反対側の透明帯にレーザーで穴を開けると数時間でその穴からTE細胞が出てきます。

この出てきた細胞群から5~10細胞程度採取します。

採取した細胞塊を培養液で洗浄し、サンプリングチューブへ入れます。

サンプルは凍結状態で検査会社に送り、2-3週間程度でPGT-Aの結果が出ます。

 

 

下記の画像は、サンプル中のDNAを増幅させた後にDNAをゲル状の板に電気を用いて泳動させたものになります。

検体にDNAが検出されるとPC (ポジティブコントロール:DNAが入っているサンプル)と記載してあるところのように白い帯が出てきます。

一方で、DNAが検出されないとNC (ネガティブコントロール:DNAが入っていないサンプル)と記載してあるところのように白い帯がありません。

今回、当院の培養士による胚生検のテストを行いました。

部に1〜12の数字が記載されているラインが当院の培養士が胚生検を行ったサンプルで、いずれもDNAが検出されました。

そのため、当院でも胚の細胞が採取、サンプリングが問題なく行えたことが示されました。

静岡県沼津市宮前町12-11
いながきレディースクリニック