【2025年】年間臨床成績
2025年の当院の臨床成績
生殖治療成績は胎嚢が見えた妊娠例(臨床妊娠)で記載することが世界的なルールです。
すなわち、hCG陽性で胎嚢が見えない化学妊娠は含みません。
そのため、当クリニックでは化学妊娠を除いた臨床妊娠で報告しています。
Ⅰ. 2025年 一般不妊治療(タイミング、人工授精)の成績
Ⅰ―Ⅰ. 一般不妊治療における妊娠成績
一般不妊治療は171人、537周期行いました。
一般不妊治療の臨床妊娠は52人(平均年齢31.9歳)でした。
一方で妊娠に至らなかった患者さんは119人(平均年齢34.4歳)でした。
また、年齢別に一般不妊治療の成績を見てみますと40歳以上の妊娠成績が極めて低いことがわかります(図1、表1)。
このことから一般不妊治療において若い年齢での治療が有効な事が示されました。

| 表1. 一般不妊治療における女性年齢別の臨床妊娠率 (2025) | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 年齢 | 周期数 | 臨床妊娠数 | 臨床妊娠率 | 流産数 | 流産率 |
| ≦29歳 | 94 | 21 | 22.3% | 1 | 4.8% |
| 30歳-34歳 | 236 | 15 | 6.4% | 1 | 6.7% |
| 35歳-39歳 | 107 | 14 | 13.1% | 0 | 0.0% |
| 40歳≦ | 100 | 2 | 2.0% | 0 | 0.0% |
| 全年齢 | 537 | 52 | 9.7% | 2 | 3.8% |
Ⅰ―Ⅱ. 一般不妊治療における治療方法別の成績
図2はタイミングもしくは人工授精(AIH)の方法別の成績になります。
タイミング法を行なった人数は158人(平均年齢34.0歳)、妊娠率は10.1%でした。
人工授精を行なった人数は35人(平均年齢34.9歳)、妊娠率は8.7%でした。(図2、表2)

| 表2. 治療別の臨床妊娠率 (2025) | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 治療内容 | 周期数 | 臨床妊娠数 | 臨床妊娠率 | 流産数 | 流産率 |
| タイミング | 434 | 44 | 10.1% | 1 | 2.3% |
| AIH | 103 | 8 | 7.7% | 1 | 12.5% |
Ⅱ. 2025年 生殖補助医療(ART)の成績

| 表1. 女性採卵時年齢ごとの臨床成績 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 年齢層 | 移植件数 | 臨床妊娠 | 臨床妊娠率 | 流産率 |
| ≦29歳 | 29 | 16 | 55.2% | 12.5% |
| 30歳-34歳 | 87 | 49 | 56.3% | 16.3% |
| 35歳-39歳 | 101 | 60 | 59.4% | 31.7% |
| 40≦ | 47 | 12 | 25.5% | 41.7% |
| 合計/平均 | 264 | 137 | 51.9% | 24.8% |
採卵は147人の患者さんに行い、周期数は259周期でした。分割胚凍結は3周期、胚盤胞凍結は253周期に行いました。
胚移植は178人の患者さんに行い、周期数は264周期でした。
6周期が凍結分割胚移植、258周期が凍結胚盤胞移植でした。
胚移植の成績は臨床妊娠137周期(51.9%)、流産34周期(24.8%)、多胎11周期(4.2%)でした。
日本の凍結胚移植の全国平均(2023年)は臨床妊娠率が40.5%ですので当院の移植成績は全国平均よりも良好な成績となっております(日本産科婦人科学会、2025年8月29日 https://www.jsog.or.jp/medical/641/)。
女性年齢別のART成績を見ると、臨床妊娠者の平均年齢は34.4歳、非妊娠者は35.9歳と妊娠者で年齢が低い結果となりました。
また、採卵時年齢が29歳以下では臨床妊娠率が55.2%、流産率が12.5%でした。
30-34歳では臨床妊娠率が56.3%、流産率が16.3%でした。
35-39歳では臨床妊娠率が59.4%、流産率が31.7%でした。
40歳以上では臨床妊娠率が25.5%、流産率が41.7%でした(図3、表1)。
このように採卵時の年齢が上昇するにつれて妊娠率の低下と流産率の上昇が見られました。
以上のデータから、可能な限り早く生殖治療を行うことの大切さがわかります。
