倒立顕微鏡を更新しました
当院では11月に倒立顕微鏡(IX73)に更新しました。
倒立顕微鏡は生殖医療を行う培養室においてとても重要な機械です。
ARTでは主に顕微授精(ICSI)、AHA (Assisted Hatching)、バイオプシー(胚盤胞生検)といった用途で胚培養士が使用し、受精操作や胚の処置に用いられています。
従来の倒立顕微鏡は観察する対象や操作する対象によってレンズやコントラストを手動で切り替えていましたが、顕微鏡の更新により、それらの操作がボタン操作になったことで簡便に行えるようになりました。
また、ICSIを行うためにマイクロマニピュレーターという装置が必要になりますが、今回の更新に伴い「TAKANOME」というマイクロマニピュレーターを装着しました。
顕微鏡の更新に伴い顕微鏡に付随するレーザー照射装置(Saturn)も更新しました。AHAの際に透明帯(卵子もしくは胚の周りに存在する殻のような部分)に穴を開けるためレーザーを照射します。また、着床前診断のために胚盤胞の細胞を採取する際にもレーザーを照射し、細胞を採取します。更新したレーザー照射装置は連続でレーザーを任意の場所に照射できることにより、迅速に処理を行うことができるようになりました。